自称達人たちがよくやるパフォーマンスに疑問があります。
ミットを持たせて、さらに補強のため背中側に一人支えさせる。
達人が中段前蹴りを蹴り込むと、後ろで支えている人だけが吹っ飛ぶ。
試し割りの演武で、二枚の杉板(子供用)を持たせる。そこに突きを放つ。
すると当てた板は割れずに二枚目の板だけが割れる。
それを見て僕は意味するところが分からなかった。
技を受けた人にはダメージが無く、或いは、突きを当てた板が割れずに…
殴った相手が倒れなきゃ意味がないだろ。
杉板には割れやすい板とそうでない板があります。
良くあることですが、板を台座の上に3枚重ねて割った場合に一枚目が割れずに、二枚目が割れるということは良くあることで、割れやすい板だけが割れます。
この場合はもちろん、試し割りは「失敗」です。
次は「寸剄」といわれる試し割り。
重ねた瓦10から20枚の上に掌(手のひら)をおいて大きく手を振らずに、最短至近距離から瓦を割るというもの。
これも変です。
この場合、使用するのは試し割り用の瓦です(とても割りやすい)
決して杉板は使いません。更に言えば、手に持った瓦を寸剄で割ることもありません。
瓦を20枚、手刀を振り下ろし割るのは高度な技術が必要です。
どういう技術かというと「瓦に振り下ろした手刀が正確にブレずに瓦にヒットし、そこに体重を乗せる」ということ。ここが難しい。
勿論、試し割り用の瓦ですから割れやすくはできています。
でも、手刀を振り下ろす際にどうしても芯に当たらず力が分散してしまう。
いわゆる「寸剄」としての瓦割りは、手を瓦の上に置いて、いかに自分の体重を瓦に伝えるかにかかっています。
つまり、振り下ろすよりブレが生じません。
空手には「寸剄」なる技術はありません。中国拳法に対し大変失礼なことをしていると僕は思っています。
本当にそれが寸剄なら、台座の上に瓦を重ねるのではなく、瓦や杉板を誰かに持たせて、掌底で割って見せて欲しい。
この写真は、手刀での杉板割り。
見事に失敗です。
この時も二枚目の杉板にはヒビが入っていたと記憶しています。

本来、試し割りは冒頭に紹介したような、怪しげな技術で素人の目をひくのではなく、しっかりした理論のもとの技術をもって「割りにくいものを割る」という姿勢が大切だと思います。
大山倍達総裁が亡くなって以降、雨後の竹の子の如く神秘的達人が現れました。
その達人たちの本気の組手を、僕は見たことがありません。
そんなもの僕は信じない。



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