
【引き手の位置】
流派により引き手の位置の違いがあります。
・松濤館流の引き手は、腰のあたりに引く。
引き手の位置は個人差があるようです。
・剛柔流の引き手は胸の位置です。
その流れを汲む極真会館も同じです。
○引き手は何のためにあるのか。
・中国拳法の影響が引き手に残っている
・棒、サイなど武器を持って構えたなごり
・相手を掴んで引きつけ技をだすため
などの説があります。
○引き手の位置の違いはなぜ生じるのか。
・首里手系(松濤館流ほか)は、腰の位置から技を「ムチ」のように出す方がスピードがでる
・那覇手系(剛柔流ほか)は、接近戦に特徴があり、相手に一番近い(胸の位置)から突くため
○実際の技の特徴はどうなのか
・松濤館流の空手家と組手をした経験からですが、確かに腰から出す突きは重さはないが早い
・極真空手経験から、胸の位置から出す突きは、決してスピードはないが、重く破壊力がある
以上のことから結論づけます。
引き手の由来は今となっては不明です。
大切なことは、「引き手を取る意味と位置」にあります。
身体操作的な見地から、何処に引き手をおいて、どのような突き方をすることが最大限の破壊力を生むのか、ということを学ぶことが大切です。
そのために次のことを検証します。
《自然体で立つ》
○腰骨あたりに拳を置き、上段を突く
・どこかに力を入れずに自然に攻撃できる。
・力み無く自然に技が素早く出せる。
○胸のあたりに拳を置き、上段を突く
・腰や腹筋の動きに連動して突く。
・力みを無くすと威力が出ない。
分かりやすくまとめれば以上の結論に達しました。
・松濤館流の戦い方は、前屈立ちで構えて一瞬のタイミングで接近し、上段に突きを単発で放つという特徴があり、瞬間的な技のキレとスピードが特徴です。
・剛柔流系の戦い方は、接近戦での攻防にあり、攻撃を受けや体捌きで外して重い突きで倒すというものです。
・松濤館流の空手家に身体を鍛え上げた人はあまり見受けられないイメージがある。
・剛柔流系の空手家は,日々身体を鍛え上げ、攻撃に耐える肉体と強い攻撃を身につける。
以上のように考えると、剛柔流や極真会館の胸の位置からの突きでは、スピードと強さが発揮しづらいため、筋肉を鍛え上げているとも考えられます。
【突き方】
極真空手の突きは、脇をしっかり締めた上で、丹田、脇、拳へと力を伝えます。
大山倍達総裁が常々言われていた
「強い突きを得るには、指の力が大切である」
「突いた瞬間、ヒジを伸ばしきってはいけない。」
という言葉にも重要な意味があるのではないか。

極真空手の突きのヒジの形(右手、上から見た図)
突いた際、費に賀脇をしっかり締めて、ヒジを伸ばしきらない状態に絞ると、猿臂部分は真下に来る

横から見ると腕の曲がり方がイメージできると思います。

【型の三要素について】
流派による攻撃技の違いを考えるために、「型の三要素」と言われる物を掲示します。
松濤館流の「形の三要素」
・力の強弱
・体の伸縮
・技の緩急
極真空手の「型の三要素」
・力の強弱
・技の緩急
・息の調整
松濤館流では、離れた間合いから一気に飛び込んで技を繰り出すという戦いから、「体の伸縮」が重要となるのだろう。
一方、極真会館では、「息の調整」つまり呼吸法です。
これは、戦いにおける呼吸の取り方、技を出す際の力みを消し、技の威力を一点に集中するための呼吸の重要性を説いています。
このことを見ても、極真会館では、強烈な突き技などを出すためには、「力みを取ること」と「力を集中する」ことが最も重要な点といえます。
そのために、とにかく基本稽古を数多くこなし、黒帯取得までには、身体作りをし、「型の三要素」を習得することです。
僕の経験からも、突きの強い人に共通しているのは「前腕部」が太いということです。
それだけに筋力をつけるトレーニングは欠かせません。
もしかしたら、松濤館流では、突きなどをマスターするためには、極真空手ほどの稽古量は必要ないのかもしれません。



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