準備運動の際、身体が痛く硬くなってきたのはいつ頃からだろうか。
開脚、股割りは180度は開くのが当たり前でしたが、まぁ、今でもそこそこ開くのですが無理はしないようにしています。
歳を重ねれば誰しも昔のようにはいかないものです。
これを老化と呼ぶけれども、前向きに「経年」と理解しうまく付き合っています。
64歳になり、身体の状態が変わってきました。
柔軟性について言えば、そんなに柔らかくなくても良いのではないか。
この左足が敵の顔まで届けばよいこと。それで十分なのだから…
若者はとことん柔軟な身体を作る努力をしてください。
でも、中高年者は無理をしないことです。
特に、稽古始めの柔軟運動はやりすぎると怪我のもとです。
体を温めながら血流を増やす程度の気持ちで臨んだほうがよい結果を得られます。
歳を重ねても技が衰えない。それが技術です。
上段回し蹴りで、敵の顔を蹴ることができる。これで十分です。
後ろ廻し蹴りも理想の形で蹴ることができる。それで良いのです。
若い頃に比べ足が高く上がらない。柔軟性がない。破壊力がない。
これは筋力の衰えに起因します。
だから、特に足腰の筋力強化に時間を費やすことです。
残念なことに、当道場にはトレーニング器具がありませんので「自重」でのスクワットなどの動きを工夫して、腰から下の筋力強化はかかさず行うようにしています。
理想の蹴りを維持するためには、
第一に、軸足の強化が重要です。片足で体重を支えるわけですから、足全体を太くし、フラつきをなくすこと。
第二に、蹴り足の「伸縮」の動きの際の、バネを強化すること。
これも筋肉量を増やしつつスピードのある筋肉に仕上げます。
第三に、微妙な体重移動です。つまりは、技の使い方、身体の使い方です。
この三点を基礎に蹴りのフォームに工夫を加えつつ、動作を繰り返し、組手で使えるように創意工夫をします。
今後、十年後は蹴りなどできないほどヨボヨボに衰えるかもしれません。
とりあえず5年間はこれでいけそうに思えます。
これから先のことは未知の領域なので何ともいえませんが、技術で補えるのではないだろうか。
僕が生徒に向けアドバイスすることの一つに、昨日と同じフォームで、つまりマンネリ化したフォームで空手の動作をするのではなく、毎日の稽古の中で「あれこれ」悩みながら、理想のフォームを研究しなさい、というのがあります。
「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤しながら技を身につけるのが、毎日繰り返される基本稽古の重要な意味だと思います。
だから、おなじ形でおなじ力の入れ方で基本を行っては駄目です。
進歩が止まります。
創始者大山倍達総裁はこのように話していました。
「今でも夜目が覚めて考えることがある。正拳の握りはこれでいいのだろうかと」
空手10段の大山総裁であってもまだ到達していない高みがありました。
尚更のこと、僕らはぜんぜん何も掴んではいないのですから、悩みに悩み抜いて基本稽古を行うべきです。



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